《MUMEI》

「私‥‥‥しか‥?」

「そじゃない?」

「う、ん‥‥‥」





──そうかも知れない。





『オレが幸せにしたるから』





あの時の先生の‥

まっすぐな目、

ハッキリした声‥。





私を抱き締めてくれた時の、

暖かさ‥。





「ありきたりな事しか、あたし言えないけどさ、何だろ‥‥‥」

「ありがとう」

「ぇ、まだ何も言ってないよ?」

「何となく、分かったから」

「──そっか。‥‥‥あっ」

「何っ‥?」

「ヤバいアイス溶けちゃうっ。ほらっ、碧依も手伝って」

「ゎ‥分かった‥」

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