《MUMEI》

「陸のヤツ、朝飯食うの遅かったせいで魔王に殺されかけたのを逃げたんだとさ。」

「あぁ〜…なるほど。大丈夫?私が慰めてあげる!」

そういいながら、元気な女の子がボクに抱きついてくる。ここコンビニの中なんだけど…。

「ちょ、ちょっと海!みんなに見られてるよ!?」

「関係ないもん!彼を慰めるのは彼女の役目なんだよ!」

「い、いやそうかもしんないけど…んぐっ!?」

うわ、キスまでしてきやがった!…えへへ、海の唇柔らかくて気持ちいいなぁ…って!

「ダ、ダメだって!恥ずかしいよ!」

「陸…アタシのことが嫌いになっちゃったの?」

あぁ…そんな泣きそうな目でボクの目を見ないで…てか離してってば、恥ずかしいんだから…あわわ、なんか柔らかいのが当たって…あうぅ。

「そ、そんなことないよ!ないけど…」

「ないけど恥ずかしいんだもんね〜陸ちゃ〜ん♪それと海、幸せそうなとこ悪いんだけどもうチャイムなりそうなの知ってた?」




…えっ?うわっ、HRまであと3分しかない!

「海!早く教室行かないと!空くんも急ご!」

「教えてあげたのオレなんだけどな…まぁいいか、早く行くぞ!」

「あ、陸待ってぇ!アタシをおいてかないでぇ!」

…そしてボクら3人は全速力で教室へ向かった。






あ、紹介を忘れてた。今の女の子は伊吹海(イブキ ウミ)。ボクらの3人目の幼なじみであり、最近ボクの彼女になった。もうすっげぇ幸せ…いやいや、それは置いといて…

海も生まれた頃からずっと一緒だ。しかも、同じ日の同じ時間に生まれ、3人並んでベッドに寝てたらしく、ボクらの親が「せっかくだからなんかちなんで名前つけよう」ってなって、並んでた順に陸・海・空と名付けたらしい。子供の人生をなんだと思ってるんだか…。

ボクと海は、1ヶ月前にやっとボクから告白して、初めて付き合えたんだ。今はすごい幸せの絶頂だ。…エヘヘ。

―――――――――



…この物語は、この3人を中心にした…果てには世界中を巻き込んだ戦いのお話。




あの夢を見てからボクは、とんでもない運命に巻き込まれてしまった。




いや、ボクだけならよかった。でも、ボクの大切な人が…




あの時簡単に力を受け取らなければ…そしてあの時ボクが…いや、もう全てが遅かったんだ…。

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