《MUMEI》
サクラミチ
「ったくさー、まさかあれがちかだったなんてね〜」

「まぢ全然気付かなかった…でもよ〜、変装するこたねーよなあ〜」


「ごっ、ごめんねっ!?あたしがカツヤくんといるの見たら、凪ちゃん傷つくと思って…」


「「知らない女より傷つくかいー」」


(うわハモった…)


「あ、そっか…あーんごめんなさ〜い!!」


涙目であやまるちか。


「もういいよ、しゃーない、許してやんよっ」







「凪〜」


「何、九郎」


「俺、ちゃんと秋菜に言ったよ」


「知ってるよ。秋菜の顔見たらすぐわかったよ。」


「あのバカ、ぐずぐずになりながら、『秋菜って呼んだら許す』って。ったくよ〜…」


「良かったな」


「凪もね〜」


「うっさいよ!」









「ねえねえ、カツヤくん、」


「な、なんだよ」


「カツヤさあ、あれであたしが許したとか、思ってない?」


「え…」


「そんなわけないよねぇ、あんだけ騒がしといて」


「お前もだろっ…!」


「カツヤさあ、幼稚園のとき、あたしが他の男の子と手繋いでたらさ、大声で何か叫んだよねえ」


ギクッ


カツヤの顔が固まった。


「あの台詞、もう一回聞きたいな〜」


「無理!つか覚えてねーし!!」


「嘘つき〜!あれは覚えてたくせにー。『凪沙ちゃ』」


「ばっ!!ばかやろ!!」

口を塞がれた。


「んーん、っは、なら、覚えてないなら、ここでキスして」


「はあ!!?」


「じゃないと別れる」


「っ…くっそ……」


「はやく〜」


せがむあたし。


「ちきしょー…覚えてろよ……」










「―――――」










「あ゙あ゙あ゙あ゙ーーーー!!!!!!カツヤが凪を襲ってやがるー!!!」


「なっ、襲ってねーよ!!」


「へーんたーい」


「きゃー」


「てめーらっ…!!」




仲良く(?)追いかけっこをする3人。





「やっぱ覚えてんじゃん…」






キスしたあと、耳元に聞こえてきた言葉は、あの頃とまったく変わらない台詞だった。










『凪沙ちゃんは僕のものだ!!ずっと、ずっとずっと、だ!!!』





END

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