《MUMEI》

「……て……く…きて、…起きて…」



…ん…なんだ?何か聞こえる…まぁいいや、まだ眠いし…




「起きて、陸!もう昼休みだよ!」




…海の声?へぇ…昼休みか…ん?昼休み?

「へ?昼休み!?」

「そうだよ!いくらなんでも寝過ぎだよ!」

海が頬を膨らませながら、ボクの方をじーっと見ている。

どうやらボクは、朝からずっと昼休みまで寝てたらしい。そんなに眠かった訳じゃなかったんだけどな…そうか、これが現実逃避ってやつか。

「意味わかんないこといってないで早くご飯食べよ!空はもう行って場所取ってくれてるよ!」

…マジかよ。海にまで心を読む力が宿ってる。なんなんだろうなぁ…女って怖いんだなぁ。…って、もしかしてこれも…

「陸なんか大っ嫌い!!」

「あ、海!待って!」

…行ってしまった。最悪だぁ…はぁ。決めた、今決めた。ボクはもう絶対人の悪口を言わない、いや思わないことに決めた。じゃないと本当に命がもたないや。

「とりあえず…行くかな。」

怒ってるだろう海と、待っているであろう空くんの元へ。

そういえば、今朝に見た夢のこと…2人に相談してみよう。

なんだか胸騒ぎがするんだ…どうしても気になることがある。

…ってか、海怒ってたなぁ…はぁ。

あ、そういえば朝に昼ごはん買いそびれたなぁ…コンビニ寄っていこう。



…こうして、いろんな不安を抱えながら、ボクは教室を後にした。

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