《MUMEI》

「ごめん、またせちゃって…」

「おせーよ、どんだけ寝て…ってわざわざ昼メシ買ってきたの?朝に陸の分も買っといてやったのに。」

「本当に!?ありがとう空くん!お金無くてちょっとしか買えなかったんだぁ…」

「ならよかった。まぁ給料入ったばっかだし、これ奢りにしといてやるから食えよ。そんかわりさ、あれなんとかしてくれ…」

そう言って空くんがため息をつきながら木の向こうを指差した。なんだろう?

「へ?別にいいけどなんかあったの?」

「まぁ見りゃわかるよ…大変だな、陸。」

どうゆうことだろう?とりあえず行ってみ…あ、あれは…!?




「海!」

ものすごい暗いオーラを出しながら、何かブツブツ呟いている。よく見ると手にはびしょびしょに濡れたハンカチ。これは…

「泣いてたの?」

「あ、陸…うわぁぁん、ごめんなさいぃ!」

「う、うわっ…どうしたのさ!?」

あれ?ボクがごめんなさいって言うんじゃないの?まぁ…よくわかんないけど助かったのかな。

「あのね、さっきね、悪いこと、言われた、気がしただけで、陸のことね…」

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