《MUMEI》

「良かった‥先生‥‥‥」

「卯月‥?」

「‥昏睡だったから‥本当にもう起きなかったらどうしようって‥‥‥」

「──あたしなんて眞野っち叩き起こそうかと思ったんだからね?」

「──すまん」





また泣かせてもうた‥

卯月の事‥。





「先生‥‥‥」

「大丈夫や、お前を置いてなん──」

「‥‥‥‥‥‥‥」

「泣き虫うさぎはオレが守ったるから」

「──っ────」





卯月はただ、

泣くだけやった。





オレにしがみついたまま、

ただひたすら泣いとった。

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