《MUMEI》
若菜は映画を見るのは久しぶりだ。ましてや、彼氏と行くのは初めてだろう。
手を繋ぎたい、と思った
樹はポケットの中に手が入っている。
そっと、自分の手を滑り込ませた。
うとうとしていたようで首が揺れていた、
笑ってしまう。
大きな手
「樹、」
彼の肩を叩く。
こちらに気が付いて顔を寄せた。
「あのね……」
何か伝えるフリをして頬に接吻した。
仕返しだ。
散々、私を惚れさせた。
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫