《MUMEI》

「──ふぅ」





食べた食べた──。





「‥ぅわ!?」

「ごっそーさん」

「ぇ、な‥何でお皿‥」

「返しに来た」

「何で‥?」

「‥何となく」





鳳君は、

空になったお皿を流しに置いた。





「じゃあな」

「ぁ‥‥‥鳳君っ」

「‥ん」

「ありがとう‥ございます」

「お前、ちゃんと飯食ったのか」

「ハイっ、食べました‥」

「‥ならいい」





鳳君は私に背中を向けると、

スタスタと歩いて行ってしまった。





「‥カッコいい‥」





めちゃめちゃカッコいいじゃん、

鳳君って──。

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