《MUMEI》

美樹の寝顔を見ていた

いつの間にか、うとうとしてたようだ

物音で、目が覚めた

…何かが倒れるような、音だった…

隣室に居る、看護師が寝呆けたのかな?

隣室のドアノブに手をかけたとき

扉が勢いよく、開いた

雅治「!…」

こもった小さな音と共に

何かが、俺の腹に当たった気がした

サイレンサーを付けた銃だ!

俺を押し退け、美樹の方へ行く男…

ヤバイ…美樹が…

俺は必死に男の背後に掴みかかった

雅治「がぁぁぁぁ!」

何か叫ばなきゃ、身体が動かなかった

男を床に、薙ぎ倒した

雅治「美樹!逃げろ!」

今の美樹に、言っても無駄なのは、わかってる……

だが……手立てが無かった…

俺の腹から、湧き出る暖かいモノ…

力が抜けていく……

せめて、この男の銃を奪えれば!

男の銃に手を延ばす

暴発して、窓ガラスが割れた

渾身の力で、男の首を絞めた…

が…

また…身体に、衝撃が…

…ダメ…か…

急激に、力が薄れて行く…
けど、手を離す事は、出来ない…


男「お前は殺すなと言われたが…抵抗するなら、殺す!」

…美樹が狙い?何故だ…
尚更、手を離せない!

力のかぎり男の首を絞めた……

簡単に、振り払われた…

男「見苦しいよ…お前…」
それでも、俺は、男の踵にしがみ付いた

男「うぜーぇ!死ね!」

銃が向けられた

美樹「ダメ!」

美樹が男を押し退け、俺にかぶさって来た

鈍い音が、何発か、した…
美樹の身体が跳ねた…
 
 
 
そのとき、大勢、病室に入って来た
地元警察と、公安
それに、水無月達が居た… 
美樹の背中から、暖かいモノが、溢れて止まらない

美樹と目が合う…

美樹……かすかに、微笑み…
目を…閉じた…

雅治「美樹、美樹!」
「しっかりしろ!」
「みきー!!」
 
美樹を抱きしめた
 
 
薄れていく、意識の中で…
これは、夢だ……

夢にきまってる…… 

そう、頭の中で、つぶやいてた
 
 

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