《MUMEI》

3人でご飯を食べながら話した結果、みんな同じ夢を見たらしい。…泣いたのはボクだけらしいけど。どーせ弱虫の泣き虫だもん!いいよーだ!




「フンッ!」

「アハハ…陸、ごめんね笑っちゃって」

そう言いながらなんでボクの方見ないのさ。海までひどいや…

「まぁとにかくさ。3人とも同じ夢見てんならオレらだけじゃないのかもな、この夢見たの。」

…確かに空くんの言うとおりだ。3人も見てるならもっといっぱい他の人が見ててもおかしくない。でもそれより…

「それよりさ、力ってなんなんだろうね?」

そう、“力”だ。一体“力”ってなんなんだ?

「んー…とりあえずつよくなった訳ではなさそうだ。」

「へ?空くんなんで?」

「だって陸ってば泣き虫のままだもんよ。」




…母上よ、ボクはやっぱりあなたの子供のようだ。

「空くん〜?もう許さないぞ!覚悟ぉー!」

「アハハ、かかってこ〜い」

そう言いながら空くんは、本気で殴りかかったはずのボクの頭を片手で掴み、そのままボクを近づけないよう押さえつけた。あうぅ…と、届かない。

「ひ、ひどいよ…ボクこれでも怒ってるんだよ!?」

「んー…なんか子供をあやしてる気分だ。」

空くんがアゴをあいてる手でさすりながら、うなずいてそんなこと言ってる。




「…あ、あうぅ…。」

「あ…わ、悪かったってば!やり過ぎたよ、だから陸、泣くなって!海!助けてくれぇ!」

「…。」

「おーい…海?」

「…へ?あ、あぁ、何?どぉしたの?」

「いや…陸が泣きそうだから助けて欲しかったんだけど…なんかお前も泣きそうだな?」




…確かに。泣きそうっていうか、すごく悲しそうな顔してる。何かあったのかな…?




「海?大丈夫?」

「なっ…陸お前いつの間に泣き止んで…はぁ。愛の力にゃかなわねぇな」

「そ、そんなんじゃないよ!」
まぁ…そうなんだけど。なんてね…エヘヘ。

…「2人とも帰ってこーい!」




…ハッ!しまった…

「んで?2人はどう思う?オレ的には、とりあえず見た目には変わった様子は全然ない気がするんだけどな。」

そうなんだよなー…力なんて全然ついた気がしない。…ん?海?

「ふっふっふっ…実はね。アタシ…」

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