《MUMEI》
決意

……散々、辛い目にあわせたな……

俺なんかと、かかわっちまったから…

美樹は、真っ直ぐ、俺を見たまま…

何も…言わず……

次の瞬間!

美樹が、血まみれになる! 
 
「痛いょ……苦しいょ…」 
俺は、必死に美樹に近づこうとする……が……

美樹は、遠くへ……

「寒いよぉ……怖いよぉ」
美樹の啜り泣く声だけが、暗闇の中から、聞こえる… 
 
 
俺は目を覚ました…

雅治「…夢か……」

また、同じ夢を見た

雅治「…美樹…」
 
 
 
病室で襲われた、俺達…

俺は出血多量で、意識を無くして…倒れた…
 
美樹は……
 
背後から、銃弾わ3発浴び…

心臓と、肺が……破裂して
即死だったそうだ……
 
 
 
雅治「…美樹…俺を恨んでるだろうな……」
 
俺は、寝汗でびっしょりだった

シャワーを浴び、真っ黒なスーツに着替え、

真っ赤な F430 の心臓に、火を入れた

タイヤを鳴き響かせながら、
俺は、美樹が眠る、場所へと、走らせた

そう……今日は、美樹の49日なのだ…
 
 
 
お袋さんと供に、眠る、美樹
 
真樹と大介が来ていた
 
坊さんの供養が終わり…
 
静まる墓前
 
早川が、坊さんを車に送る…
 
早川「社長、坊さんを、送らせました…」

雅治「社長は、お前だろ…」

俺は、早川に、社を任せてた

早川「…早く、戻って頂かないと、困ります」

雅治「…そのつもりは無い、早川…社と、従業員…頼んだぞ…」

俺は、真樹と大介に、一礼し、墓前を後にした

真樹「待って!雅治さん!」
「復讐とか、止めてよ!」「お姉ちゃん、喜ばないよ!」

真樹の声を、背中で聞いた…

…後戻りはしない…

俺は、…… 進むだけだ…
例え、行き着く先が…
…地獄でも……
 
 
霊園から、激走する、F430
他車を押し退けて走る、
まるで暴走車だ

雅治「…付いてくる奴が居るな……霊園から…ずっとだ…」

F430を、ETCゲートを潜らせた

270キロ……追送車は、離れる気配が無い…

雅治「来やがったな…」

俺は、わざと、目立つように…深紅のフェラーリに乗り
暴走させてた
 
 
あの後…水無月から、提案があったが、
全て断った
 
奴らを、日の当たる場所に、ひきづり出してやる
 
 
トラックの間をすり抜け、アクロバットな暴走をした
雅治「ここらでいいかな…」

インターチェンジ、ギリギリで、急激に進路を変えた
分離帯にぶつかる寸前だ

急減速しながらの、ハンドル操作

並の車なら、即スピンアウトだ

俺を追送してた車が、進路を変更しきれず

路側帯でフルブレーキング…

シルバーのムルシエラゴ…ランボルギーニの化け物マシーンだった

4600万はする車だ…

普通の金持ちじゃ、乗らない車だな… 

ランボルギーニが高速道路をバックしてる

俺を追うつもりなのが、ハッきりした

ETCゲートを抜けて
一般道を左に曲がり、
直ぐ停めた

タバコやらジュースやらの自販機が並んでる所に

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