《MUMEI》

「はい。──ぁ‥でも萱島先生はメッセージ残さなかったみたいで‥」

「──そか。まぁ‥あいつらしいやんな」

「ぇ──」

「昔からああやねん。せやけど──ええ奴なんやで」

「いい人‥?」

「そや。──あいつ──ずっと心配してくれとってん。オレの事も、お前の事も」

「心配‥‥‥」

「まぁ、退院する頃になって──電話でもかけてきよるんとちゃうかな──」

「──そうですね」

「卯月──学校はどや‥? 何かされたりしてへんか‥?」

「はいっ、大丈夫です」





卯月が頷く度に、ショートヘアになった髪が揺れる。





この髪型にさせたんは‥オレのせいなんよな‥。

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