《MUMEI》 “言葉の力”今現在、ボクらは昼休みを終え、午後イチでとってもだるい数字の授業を受けている。この先生、喋り方が眠くなるから嫌いなんだよなぁ… それにしても昼休みは驚いた。まさか海があんな…ん?何があったかって?それはねぇ… ――――――――― 「“力”使えるようになっちゃったの。」 …へ?どゆこと? 「えーっと…つまり?」 「だーかーらー、アタシもう力使えんの!見たい?」 そ、そりゃもちろん… 「「見たい!!」」 あ、空くんとハモった。でも当然だよね?海が力使えるなんて…ボクと空くんなんか“力”って何?って話してたくらいだもん。 「いいよ!それじゃあ…ふっ!」 海が急に目をつぶり集中し始めた。と同時に、どこからか少しずつ風が吹き始める…。 まるで海を浮かせるかのように、海を中心に、風はどんどんとその勢いを増していく。 そして…えっ、海が消えた? 「あれ?海どこ行った?」 「知らないよ、海どこ行ったんだろ?」 空くんもどこに行ったかわかんなかったらしい。2人で周りをキョロキョロしていると、突然上から 「陸ー!空ー!こっちこっち!」 …ん?上から?どうゆうこと?訳もわからないままボクと空くんは上を見上げた。すると… 「これがアタシの力らしいよー!」 …飛んでいた。いや、浮かんでいたといった方が正しいのだろうか。ちょうど校舎の2階くらいの高さのところで、海がフワフワと空を浮遊しながらこちらを見下ろしていた。 「マジかよ…」 ボクと空くんは、びっくりしすぎて声が出ず、そのまま尻餅をついてしまった。マジかよってのも、空くんがやっと少しだけ出せた声だ。 …しばらくして、空からゆっくりと海が降りてきた。着地を確認すると、ボクらの方に歩いてきて…あ、真っ赤。 「あ、あのー…見た?」 …はい実はしっかりと。 「陸さんや、いいものですな…純白は。」 「えっと…鼻血でそうでした。」 …ボクらってアホだ。 「もう、エッチ!…でも、陸なら…いいよ?」 なんかいろんな意味が含まれ…いやいや、海さんもう一度めくらないでぇ! 「こんなことするの…陸だけだからね…?」 「あわわ、ダメだよ海!」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |