《MUMEI》

直ぐに、ランボルギーニが来た

俺は車を降り、路上でタバコに火を着けてた

フェラーリの前に、ランボルギーニが停まった

面拝んでやるかな…

跳ね上げ式のドアが開く

真上に持ち上がるように

ミニスカートの女が降りて来た

水無月「車の運転は上手なのね…」

雅治「ちっ…お前か…」

水無月「あら、誰と勘違いしてらしたの?」

雅治「……」

俺は無視して、フェラーリに乗り込んだ…

水無月「ちょっと、待ちなさいよぉ」

F430をUターンさせ、高速道路に戻った…

ムダな時間だったな…
 
 
 
俺は、鎌倉に帰宅した…
 
そう…ここは、母が亡くなった場所…

佳祐が、美樹を連れ去り、調教した場所でもある…

死んでいった人達の、魂がこの世に漂うなら…

ここに集まって来るような気がして、
ここに、越したのだ


ガレージの前に、夕日を浴び、メタリックシルバーが、より一層輝くランボルギーニ…

しつこい女だな… 

車内から、無線でシャッターを開けると、図々しく、ガレージに車を入れる、水無月

3台は入るガレージだ

俺は、隣にフェラーリを停めた

水無月「ちょっと、話があるから来たのに、無視しないでよ」

雅治「俺には、たいした用件だと、思えないがね…」
水無月は、家の中まで付いて来た

水無月「…何もない家ね…」

雅治「そうか、にぎやかだぜ、魂が、いっぱい居て」
水無月「…なら、淋しくないわね」

雅治「……」

苦手だな…こういう女は… 
水無月「お茶ぐらい出して下さらない?」

雅治「冷蔵庫にある…飲みたきゃ勝手に飲め」

水無月「………」

「何よ…お酒しかないじゃない…」

不服そうな、水無月だった 
 
水無月「お兄様の、売却したお金…どこに消えたか、わかったわよ」

雅治「!」

水無月「知りたい?」

雅治「早く言え…」

水無月「私の質問に答えたらね……」

雅治「…じゃあ、帰れ…」

水無月「そうも行かないのよ…」
「みんな、困ってるのよ…貴方のせいで…」
 
雅治「知った事じゃないな…」
 
俺は、缶ビールを開け、飲んだ
 
水無月「長老達は、貴方のハッタリに、まいってるのよ…」
 
「お腹の中の爆弾は、嘘だったものね…」
 
「病院で知ったわ…」
 
「私も、本当だと思ってたから」
 
「実際、洋館は、爆発してるしね…」
 
雅治「爆破?、お前達だろ、最後に爆破したのは?」 
水無月「…?…」
 
雅治「久保田が、デブを射殺した証拠を消す為じゃないのか?」
 
水無月「……」
 
雅治「ん、図星かい?」
「お前ら、ヤクザより、たち悪いぜ…」

水無月「……」

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