《MUMEI》 「またパンケーキなのな‥」 「あ‥あはっ、それが唯一のレパートリーで‥」 「‥っ?」 「ぇ」 「お前、昨日は晩飯にカレー作ってたじゃねぇか」 「ぁ‥、何か奇跡的に上手くいったみたいで──」 「‥ふーん」 鳳君は私から目を逸らすと、 ぼんやりと窓の方を見てた。 「──なぁ」 「!?」 「お前の親戚の名字教えろ」 「‥ぇ」 「昨日訊きそびれたから。親戚偽るのに名字知らねぇと始まんねぇだろ」 「ぁ‥‥えっと‥井原‥」 「ふーん‥分かった」 鳳君は少し黙ってから、 息を吸い込んだ。 「‥いいか」 「ぇ」 「間違っても悟られるような事言うんじゃねーぞ」 前へ |次へ |
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