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《MUMEI》 老人異変は、初めから感じていました。 その家に入った時に(なんか薄暗いなぁ?)と、感じました。 確かに、外は夕方、 家の中は電気が灯いていたのですが… 常に、目の前に薄い幕がある感じ… まるで霧の中にいるような印象を受けました。 そして普通、新築の家には、木の温もりを感じるものですが、 そこはまるで冷たい大理石の中に放り込まれたかのような空気が漂っていました。 居間に通されました。 母親がいました。 3歳位の 妹がいました。 赤ん坊の 弟がいました。 テレビを観ました。 食事をしました。 その間終始…皆、無言でした。 食事中、ふと気が付いたのですが… 居間があって、その隣にもうひとつ部屋があるのですが、襖が少しだけ開いている。 なんとはなしに 覗いてみたんです。 電気も付いていない 真っ暗な部屋の中、 布団が一組…敷かれている。 その上に…いる。 白髪で髪を乱した老爺が正座している。 その老人の目は… うつろに虚空を凝視したまま身動きひとつせず、そこに鎮座していた。 僕は、怖くて、怖くて、身体が…がくがく震えていました。 居たたまれなくなりそのまま二階に上がり、コレエダケイタ君と二人で話をしました。 何の話をしたかは忘れましたが…これだけは覚えています。 コレエダケイタ君は何度も、確かめるように、僕に…こう言ったのです… 『ズット 友達デ イテクレルヨネ?』 前へ |次へ |
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