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《MUMEI》 子供どれくらいしてか、 音がした。 遠〜くの方から、 き、き、き、 ・・・違う。 声なんだ。 きゃっきゃっきゃっ 子供がね、 はしゃいでる、あの声あるじゃないですか? しかも近づいて来てる。 時計を見ると、夜中の2時30分なんだ。 ありえない。 山の中なんですよ。 きゃははは いる。 このテントのすぐそばまで来てる。 きゃははは あははは ひとりじゃない。 何人もの子供が、私のテントを取り囲んでいる。 怖い。 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ・・・ きゃははは きゃははは どんっ どんっ 私の右わき腹、 左肩に衝撃があった。 ちょうど、4〜5歳くらいのね、 子供の足ですよ。 それでね、踏まれたんだって、そぅ思いました。 恐怖のせいなのか、金縛りのせいなのかで、身体が動かない。 すると、頭と足首を、ガッと、捕まれた。 ぐ、ぐ、ぐ、 ものすごい力で引っ張られた。 ぐっぐぐぐぐぐぐぐぐぐー! 上に持ち上げようとする。 だからまるで、 自分の身体がテントの中でくの字に曲がってしまっているような 感覚なんだ。 でもまっすぐ寝ている感覚も同時にある。 奇妙な状態。 苦しくて、痛くて、もがこうとする。 きゃはははは 無邪気な声なだけに、逆に怖いんだ。 『うわあああああああああああああああああああああああああ!』 自分では、思いっきり叫んだつもりだったんですが、 かすれた声を絞り出すのがやっとでした。 でも、そのおかげか? 周りが静かになり、身体が自由に動きました。 その後2時間、私はテントの中で身じろぎもせず過ごしました。 ようやく夜が明け始めたので、 大急ぎでテントをたたみ、その場を離れました。 そして、元の道に戻った時、私は愕然としたのです。 段々畑、 それは【茶畑】なんかじゃなかったんです。 【お墓】が、ずらぁ〜と、並んでいたのです。 つまり私は、 墓の真ん中にテントを張って、寝ていた訳なんです。 そして、峠を下りきった処に、弥勒菩薩の仏像を発見したんです。 【水子供養の墓】だったんですねぇ。 その時、不思議なんですがね・・・ (ぁあ、遊んで貰いたかったんだなぁ!) (寂しかったんかなぁ?) って、 怖いっていうより、 悲しいような・・・ 切ないような・・・ そんな気持ちに なりましたねぇ。 前へ |
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