《MUMEI》
すねる厳
「それに… 俺

祐也が…

好き だ、し…」

「「…」」


(どういう意味だ?)


真っ赤になって照れる厳を前に、俺と志貴はリアクションに困っていた。


「厳、…ノーマル、よね…?」


恐る恐る、志貴が確認した。


その瞬間


「そうだよ!

祐也が好きなのは本当だけど、祐也が女の子だったら絶対何が何でもモノにしてるけど

残念ながら男だし!

本当に悔しいけど俺頼と違って男とは出来ないし!

でも、祐也は何ていうか、男なんだけど、普通男の知り合いなんかどうでもいいんだけど

何か

何か、嫌なんだ!」


一気に喋り、肩で息をする厳に俺は


(何か気になる部分あったけど)


「何が嫌なんだ?」


とりあえず、一番気になった事を質問した。


「だーかーら! 朝倉ちゃんが誰と付き合っても気にならないけど

相手が祐也だと

祐也が女の子と付き合うっていうと

何か、嫌なんだよ!」

「何で?」

「何でも!」


(意味がわからない)


そんな厳を志貴は


『お気に入りの玩具を取られてすねる子供』


と言った。

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