《MUMEI》
赤い女
部屋の中は
真っ暗なんです。


もぅすっかり
夜なんだ。

(リアルな
夢を見たなぁ?)

田中さんは、ドキドキしていた。

すると、


カチャ


玄関で音がした!

ギィイイイ。。。

ゆっくりと

ドアが開いてゆく。



「ただいま!」



奥さんだった。

田中さん、怖いもんだから聞いたんだって。。。

「お前、さっき一回
帰ってこなかった?」

「えっ?今、帰って
きたのよ!」

逆に安心したそぅです!

(ぁあ。。。やっぱり夢だったんだ!)



「あれ?
何かご飯作って
食べたの?」

田中さん怖くて、
黙っていた。




後から聞いた話だと、食器が綺麗に洗われていたそぅです。




不思議な事に、
あの雨の日以来、

【赤い女】が野球を見に来る事はなかった。



それから半年。。。

何事も無く過ごして
いたんですがね。

同窓会があるって事で

奥さんが、美容院に出掛けていたんだ。

田中さんは、ソファーで寝ていたんです。

暫くして、ふっと目が覚めた。

キッチンで音がする。


じゃー


カチャカチャ


とんとんとんとん


料理作ってるんです。

(ん〜?。。。
待てよ!)

思い出したんだ!

また、キッチンの方をチラッと見た!

違う!

田中さんの奥さんは、腰まであるロングヘアーなんだけど
今、キッチンにいる女は。。。

ショートヘアーなんだ!

あの【赤い女】と同じ髪型。。。

「うっ!」

田中さん、
思わず呻いた!

女が


ゆっくり


振り返る。


「起きたんだ?」

奥さんだった。

奇妙な事に、美容院で【赤い女】と同じ髪型にしてきたんです。

そして、
同窓会の当日。

田中さん、ソファーで、新聞を読んでた。

奥さんは、鏡台に向かって化粧してるんだ。

「みっちゃんが
痩せた!」

だの、

「太田くんが、
社長になった!」

だの、話してるんだけれども。。。

田中さんは、上の空で聞いてたんですね。

「・・・ぅん!」

「・・・ぅん?」

何とはなしに、
奥さんの方を、ひょいと見た!

奥さん、赤いマニキュアを、ふーふー乾かしてたんです。

「ぅわっ!」

振り向いた奥さん。

真っ赤な口紅
してたんだ。


その後も奥さんが、
ばたばた準備に、暫く時間が掛かったもんだから。。。

田中さん、
ソファーで、
うつらうつら
しちゃったんです。

奥さん、
出掛ける前にね、

田中さんに
声を掛けた。

「寝ちゃったの?」


ソファーに
手をついて、

ぐぐぐーっと、

田中さんの顔を、
覗き込んで
くるんだって。



田中さん。。。

半分寝ぼけながら
目を開けた。


「ぎょっ!」

っと、したそぅです。


奥さんの肩の所に、赤いマニキュアした手が乗ってる。

そして、
【赤い女】の顔がぬっと出てきて、


にぃ〜って、笑った!


田中さん
思ったそうです!


(あの女、
ずっと家に
居たんだ。)

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