《MUMEI》 志貴の決断「最初は俺好みのクールビューティータイプだったんだよ。 でも、夏休み終わった辺りから…何かプライドの高さばっかり変に目立っちゃって、何か… 今はどうでもいい感じ」 (やっぱり似てるな) 最後に冷たく言い切った厳の口調は頼にそっくりだった。 「まぁ、お前にしては珍しく賢明な判断だな」 「な!」 「…そう言えば、本命達が寂しがっていたぞ」 「あ!忘れてた!」 (おいおい) 「じゃーねー祐也! と、志貴も!」 (頼はいいのか) いろいろツッコミを心の中で入れている間に、厳は慌てて音楽室を出ていった。 「さて、会長さん、どうします?」 頼は何事も無かったかのように、志貴に質問した。 その表情は ふざけた口調と違い、真剣だった。 数秒間の沈黙の後 「何もしない」 俺のファンクラブの会長として、志貴はそう決断した。 その決断に頼は目を丸くしたが 不思議な事に そこに不満の色は無かった。 むしろ 「…コエー」 志貴に聞こえないようにそう呟いた頼は どこか、楽しそうだった。 前へ |次へ |
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