《MUMEI》 『力及ばず青年もついに非情の刃に倒れ、血を流しながら地面に倒れ込むこととなってましまいした。』 『邪魔者はいなくなった、あの2人を殺せば脅威はいなくなる…。領主は、すぐに2人に向かって弓を放ちました。』 『ところが実はその2人…ただこの村に迷い込んだだけでありましたから、実は不思議な力など持っていなかったのです。』 『力も無く、まだ幼い少女などたかが知れています。無情にも、2本の矢は2人の心臓を射抜きました…。』 『かろうじて生きき耐えながらその様子を見ていた青年は、たいそうその事を苦しみました…。なので、あの2人だけは死なせない。きっとどんな形でも生かしてみせる…』 『青年は、最後の力を振り絞り、2人の少女に向かって不思議な力を使いました。その一瞬、光に包まれたと思ったら…』 『心臓を射ぬかれたはずの2人の少女は、もうどこにもいなかったのです…。力を使い果たし、ついにあの世へと旅立ってしまった青年の亡骸を残して。』 『心臓を射ぬかれては生きてはおらぬだろう。そう思った領主は、そのまま帰ることにいたしました。…そうして、この村は滅びることとなりました。』 前へ |次へ |
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