《MUMEI》 「──おおきにな‥」 先生の声が、少しだけ震えている。 「何て言うたらええんやろ‥‥‥、嬉しいを通り越してもうた」 途端に、歓声が上がる。 そんな中、眞野先生に近付いた人がいた。 「‥眞野」 「──萱島‥?」 「待ち兼ねたぞバカモノ」 真顔で言う萱島先生に、眞野先生は苦笑した。 「何や、えらい怒っとるみたいやなぁ」 「当たり前だ。昨日はよくも話の途中で通話を切ったな‥。そういういい加減な所が──」 「おおきにな」 「‥話を逸らすな」 「昨日言うてへんかったやろ? せやから今言うたんや」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |