《MUMEI》 「──ぁ‥そだ」 「何だよ」 「柏木さん‥の事なんだけど‥」 「‥ぁぁ、訊きてぇか」 「──差し支えなければ‥」 「──別に構わねぇぜ、俺はな」 鳳君は、 お弁当箱を包みながら話し始めた。 「柏木は、三門家専属の執事だ。父さん達が蒸発してからは‥ずっと親代りをしてくれてた。──火事から、送り迎えから、何でもやってくれて‥。でも、去年‥」 「去年‥?」 「‥ぁぁ。疲れてたんだろな‥。倒れちまった」 「ぇ‥‥‥」 そうだったの‥? 「だから‥暫くは俺が飯作ったりしてた」 「‥ぁ‥」 だから昨日‥。 『ったく‥こんなのもまともに出来ねぇのかよ』 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |