《MUMEI》

「ずっと独りで頑張ってたんだ──」

「柏木が倒れちまった以上、まともに料理出来るのは俺位だったしな」

「ぁ‥蜜君はまだ小学生だもんね‥」

「つーかアイツはめんどくさがってやんねぇだけだけどな」

「そうなの?」

「つーか柏木の話からだんだん軸それてってねぇか‥?」

「ぁ‥ごめん──」

「‥で──‥柏木が回復してからは、たまに帰りだけ迎えに来てもらってたりして」

「───────」

「考えてみりゃ、もう爺さんなんだし──ガタがきて当然っちゃ当然なんだよな」

「柏木さんの事──慕ってるんだね」

「色々世話になったからな。俺らにとっては──親代りみてぇなもんだし」

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