《MUMEI》

悲鳴の主は直美だった…。



そして猪俣の部屋に銃声が鳴ることはなかった。



ということは、猪俣が不在であったことを示している…。



修羅場が訪れなかったことに安堵するや、笠松の心中に不埒な好奇心が鎌首をもたげた…。



笠松は、声のした方へ助平な顔面を向ける。



齢五十も生きていれば、女の声色だけで、上玉か否かも区別できるもの…。



笠松は"雌"の気配に興味を引かれ、ノソノソと奥の部屋へと歩いて行った。

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