《MUMEI》

「──そうだよね」

「今までも‥新しい執事やらメイドやら雇ってはきてたんだけどな、何か馬が合わなくて」

「柏木さんは──まだ屋敷にいられるんだよね‥?」

「働けなくなったからって追い出しちまう程薄情じゃねぇよ、俺は。──受けた恩位、返したいしな」

「やっぱ優しいんだね──」

「──バカヤロウ、そんなの‥」

「鳳君」

「‥?」

「──私ね、すんごい勘違いしてた」

「何をだよ」

「最初、鳳君が黒で──蜜君は白だと思ってたから」

「──ふーん」

「でも逆だったんだね、ビックリした」

「‥だからアイツには気ぃ付けとけよ」

「‥ぅ、うん‥‥‥」





そうだよね‥

気を付けないとだよね‥。

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