《MUMEI》

あの日、当たり前のように同じ高校に入学した3人。一緒のクラスになれるかなぁ…なんてドキドキしながら学校に向かってたんだ。

「空くん、また同じクラスになれるかなぁ?」

「まぁー…オレらだしなぁ。おまけもついてどうせまた一緒だろ。」

「おまけってなによー!?あたしには海って言う名前が…って、これ…」

「「「高校でかぁーっ!!!」」」

…とまぁ、ものすごいビックリした僕らは、なんだかみんなテンション上がっちゃって…入学式を忘れて学校の中を走り回っちゃってたんだ。今思うと恥ずかしいなぁ…。

「はぁ…はぁ…すっげぇなこの高校!」

「新しいって聞いてたけど、めっちゃ広いねー!陸もそう思うでしょ?…あ、あれ?」

「はぁ…はぁ…ふ、二人とも…早い…よ…ゲホッ、ゲホッ!」

「あー大丈夫?飛ばしすぎちゃったかなぁ…?」

「相変わらず体力ねぇんだから…。そぉいやここどこだぁ?」

…やっぱりボクも運動しようかな。…まぁとにかく、僕らが走り回って最後についた場所が、この中庭だったんだ。

「中庭かなんかか?それにしても広すぎるけどなぁ。」

「まぁこの高校に常識は当てはまんないらしいしね〜。あ、あそこ雰囲気イイ感じ♪」

「あ、海!ったく…陸どうすんだよ。仕方ねぇなぁ…。」

そう言って空くんは、ボクを持ち上げ、肩に担いで海を追いかけ始めた。

「ここキレイじゃん!陸、空、ここでちょっと休も♪…陸もギブアップみたいだし。」

苦笑を浮かべながらそういった海は、すぐそばにあった木の根元に座り込んだ。

「そうだなぁ…休むか。陸!下ろすぞ!」

「う、うんわかっ…ぐえっ」

そうそう、あの時も叩き落とされたんだ。空くんひどいな…。

「あうぅ…。つ、疲れた…体痛い…。」

「大丈夫?なんかごめんね、ジュースかなんか買って来るね。…空!よろしく♪」

「はぁっ!?なんでオレが…」

「だって今陸のこと叩き落としたじゃんか!陸かわいそうだなぁ〜…叩き落としといて責任逃れするんだぁ〜…こういう人が国をダメに…」

「だぁ〜わかったわかった!ちくしょー…。」

「あたしコーラね!」

「うるせー!」

…そして、ジュースのみながらいろんな話してた時だった。

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