《MUMEI》

「──先生」

「?」

「ありがとうございました。‥あの時──」

「オレこそ、無事でおってくれておおきにな」

「ぃ‥ぃぇ、先生が‥助けてくれたから──」





卯月は俯いてもうた。





「眞野っち良かったよね──」

「これでもし無事でなかったら‥その頭を殴ってやる所だったがな」

「‥!?」





萱島‥

何もそこまで‥。





「とにかくさ、宵は無事だったんだし萱島ももっと喜べよ♪」

「‥‥‥悪いが抜けるぞ。あまり遊んでもいられないからな」





萱島は、

戸の方に向かって行ってもうた。

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