《MUMEI》

「…そういえばさ、この木だけちょっと小さいね?すっごく太いのに。」

「あ、ホントだー…なんでだろ?」

「さぁ…成長失敗したかなんかか?陸みてぇだな!」

空くん笑いながらそんなこと言ってた。…なんか思い出したら許せなくなってきた!…いやまぁとりあえずおいといて。

「ひどいよ空くん!…でも、なんかこの木…悲しそうな感じ。」

「へぇ〜…なんだか陸らしいね♪ね、なんでなんで?」

「なんだろう…まだ子供みたいに小さいのに、他の木から離れてて1人で寂しそうじゃない?」

「んーまぁ言われてみりゃぁ…な。」

「そうだ!ねぇねぇ、ボクらが一緒にいてあげようよ!毎日ここでお昼ご飯食べに来よう?そしたらこの木毎日ボクらと一緒だよ!」

「…。」

「あ、あれ?」

「…プッ、アハハハハハ!」

「そ、空くんなんで笑うのさぁ!?」

「アハハ…いや、すっげぇ嬉しそうに言うもんだからさ。つい我慢できなく…アハハハ!」

「あーもう!いいもん!」

「でもいーんじゃない?ここ雰囲気すごいキレイだし、あたし賛成!」

「まぁ特に断る理由もないしなぁ。オレも賛成で。」

「なーんか複雑だけと…んじゃ決定ね!よかったねぇ!これでボクらが一緒だよ♪」






―――――――――






…懐かしいな。あの頃まだ海のこと「海ちゃん」って呼んでたっけ…。なんにしろ、これのこと感謝してたんだ…。まさか直接言われるとは思わなかったな。

『さて…時間もあまりない。ここからが本題だ。』

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