《MUMEI》 自己紹介僕が月見を初めて見たの は、今年の高校入学式の 後の自己紹介の時の事だ った。 まあ自己紹介と言っても 、僕は地元の高校に言っ たのでほとんどが顔見知 りだったが… 数少ない見知らぬ顔の中 で、得に印象に残ってい るのが月見だった。 初めて見た時に印象は、 『可愛いって言うより 綺麗』だった。 これだけでも十分印象に 残るはずだが一番はそこ ではなかった。 「月見 影 高校一年生で す。」 彼女はそういうと、席に ついてしまったのだ。 それまでの和気あいあ いとしたクラスの雰囲気 は、いっきに静まりっか えってしまった。 このような事があったの だから、いくら関わりが 全くないと言え名前を覚 えていたのであった。 余談だが、月見が自己紹 介を終えた後、先生(こ いつも、月見と同じくら い考えている事がわから ないのだが…)が、 「おい月見!」 と言って月見を呼んだ。 これを見てみなは、ちゃ んと注意してくれるのか 、と思っていたが… 「それで性別は…どっち なのだ?」 クラスのみんな 『はあーーーー?』 一応言っておこう。先生 の性別は女だ。 それを説明しないとセク ハラ発言だと捉えられる 可能性があるからな。 「先生!」 ここで勇気ある少年が立 ち上がった。 「先生あの…その…言う べき事が違うんじゃない んじゃ…」 「んなんだ?(ちょっと 怒った口調で)」 「いえ、なっ、何でもないです」 ゴメン。へたれだった。 「まあその質問はさてお き…」 クラス全員「(冗談じゃ ないのかよ)」 「ん?なんか言ったか? (ちょっと怒った口調)」 クラス全員「(いえ何も )」 ゴメン。全員へたれだ。 「その自己紹介だけじゃ 寂しいだろう?他にも何 かいえ。そうだな…例え ば好きな食べ物とか好き な色とか…」 小学生の自己紹介か! 「何か… いえ何も。 そんな下らないやり取り を呆れて見ていた月見が 面倒臭そうに答えた。 「わかりました。じゃあ …」 すると自己紹介をまたや り直した。 「月見 影です。好きな食 べ物はまあ…何でも食べ れるかな、好きな色は… 白か黒です。」 そういうとまたすぐに自 分の席に座ってしまった。 それから何ヶ月かたった が、自己紹介の時以外で まともに喋っているとこ ろを僕は見ていない。 前へ |
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