《MUMEI》

「ぁ‥、萱島先生──」

「行っちゃったね〜‥」

「やっぱええ奴やな、萱島」

「眞野っち?」

「何か心配してくれとったみたいやし──」

「萱島先生って眞野っち達の知り合いなんだっけ」

「同級生‥だったんですよね?」

「中学まではな──」

「高校は一緒じゃなかったんですか?」

「そやなぁ‥高校と大学は離れてもうた」

「アイツ頭いいからさぁ」

「教科書なん必要あらへんて位勉強出来てん」

「へぇ‥、羨ましいかも」

「私も──」

「せやけど‥、何や苦労しとったみたいやなぁ──」

「苦労?」

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