《MUMEI》

「何や家の仕事が上手くいってへんかったみたいでなぁ」

「家の?」

「せやから──必死やったんやろなぁ──」





あいつがみんなと遊んどるとこなん‥見た事あらへんかった。





あいつが勉強してへんとこも。





「そういや宵──お前さぁ、いつからそんな肝座るようになったんだ?」

「ぇ、『いつから』‥?」





いつからやろ。





『どないしたん‥?』

『ぇ‥』

『お前‥泣いとん‥?』

『‥‥‥‥‥‥‥』

『何が‥あったんや‥?』

『何もない‥』

『誰にやられとるんや‥?』

『だ‥、だから‥何も‥、?』

『嘘ついたらあかん。オレが何とかしたるから言うてみ』

『ぇ‥?』

『大丈夫や、誰にも言うたりせぇへんから。な?』

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