《MUMEI》

「‥おい」

「!?」

「蜜‥‥‥てめぇまた勝手に菓子盗ったろ‥」

「‥?」





寝言‥?





寝言って事にしとこ‥。





「‥‥‥鳳君‥」





──サヨナラ‥。





扉を閉めて、

あたしは無意識に‥

今度は蜜君の部屋に向かってた。





──蜜君も、

もう寝ちゃってるみたいで‥

ヌイグルミを抱っこしたまま、

寝息を立ててた。





「‥蜜君‥」





──ごめんね‥。





「‥‥‥‥‥‥‥」





蜜君の部屋を出て、

暗い廊下を歩いてたら。





「本当に──お行きになられるのですな、音無様‥」

「‥色々‥ありがとうございました──」





何でか‥

涙が出そうだった。

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