《MUMEI》 噂「おい──お前見たんだって?」 「見たって?」 「ハナだよ、噂になってんだろ?」 「ぁぁ──見た見た」 「見た見た、って‥」 浩紀は、 大袈裟に溜め息をついた。 「気ぃつけろよ‥? あのユウレイ見たら不幸になるんだぜ‥?」 「別に俺、そういうの気にしないから」 「お前、見えんだろ?」 「もう慣れた」 「おいおい‥知らねぇぞ‥?」 「ほんとかどうかなんて分かんないだろ、第一、その幽霊のせいで不幸になったとは限らないんだから」 前へ |次へ |
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