《MUMEI》
「ゆ……び……」
アラタは一瞬緩んだ燈影の腕から逃れた。
「何?」
燈影を踵で思い切り蹴倒す
「
手の指だ!
どの指だっていい、
自分のや、身内から切り取って来たらコロス。
全く知らない他人から持ってこい!
いつも通り、贈られた時点で終了」
アイツらしい、願い。
アイツなら、そう言う。
アイツなら……
「承知致しました。」
一礼し、燈影は靴を履いて玄関から出て行った。
アラタは一人、ベッドの中で震えていた。
「ゥゥ……神様、助けて」
懇願しても誰にも届かない
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