《MUMEI》

『‥行くな‥蘭‥』





名前で‥

呼んでくれた‥。





学校以外で‥

初めて名前で呼んでくれた‥。





「───────」





ヤバい‥。





‥泣きそ‥。





「‥泣くなバカ」

「まだ泣いてない‥」

「バカヤロウ‥」





鳳君は、

さっきより強く抱き締めてきた。





「‥完全に泣いてんじゃねぇか‥」





そういう鳳君も、

‥泣いてる‥?





「もういっぺん抜け出してみろ‥‥‥今度は鎖で柱に繋ぐぞ‥」

「!?」





そ‥

それ困るからッ‥。





「やならもう金輪際2度とこんな事しねぇって誓え」

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