《MUMEI》

「不利‥?」

「2対2やけど──やっぱり敵わんしな」

「?」

「ぁぁ‥ぃゃ、独り事やから」

「──ふふっ」

「?」

「楽しいですね、先生って」

「そか?」

「はい」





──楽しい。





だから、みんな眞野先生が好きなんだ。





「おっ、見えて来たで!」





観覧車を見つけて、先生が嬉しそうに言った。





「今日は仰山ええ思い出作ろうな」





にぱっ、と笑って、先生は歩調を早めた。





そして、ゲートを潜ると、早速──渡された地図を広げた。

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