《MUMEI》

2人が振り向くと、そこに立っていたのは…

「あ、空くん…」

そう、ここは空くんのバイト先なのだ。その愛想のよさと働きっぷりからか、店長からもよく慕われ、ボクらもその友達ということでちょこちょこただ食いさせてもらっちゃったりしてる。…聞いた話では、ボクらがただ食いした分、空くんの給料が少なくなってるとかなってないとか…。

「邪魔しないで!今あたしは陸に制裁を加えてんの!」

「朝は抱き合ってたのに今は制裁ねー…。お前ら忙しいな。」

「だって海がね、ボクの頭を読んで魔王になってそれからぁぁぁぁっひゃっひゃぁぁぁぁあ!」

「…ま、まぁあんま他の客に迷惑かかんないようにな。水入れとくぜ?」

そういって、暴れまわる僕らに呆れながらその場を去ろうとする空くん。

「ひゃぁぁぁぁぁぁ…ま、待って空くん!海もストップ!ち、力のことだよ!」

「おぉうりゃあぁぁ…あ?あ、そうそう!陸の力がわかったのよ!空は!?」

「マジか?あー…じゃあオレのも教えたいけどバイト中だしなぁ…。あと1時間いれるか?」


「大丈夫!…パフェがあればぁ…余裕でぇ…待ってられるんだけどなぁ…」

「…。はぁ…仕方ねぇ。ちっと待ってろ。」

「あ、じゃあアタシも!」




「うるせぇ!」




そうして、ラッキーなことにただでパフェにありついた僕らは、そのまま1時間待つことになった。

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