《MUMEI》

「──ラン〜〜〜ッ!」

「ぅわッ‥」





屋敷に着くなり、

蜜君が飛び出して来て私の腰にしがみついた。





「ぅぅっ‥ひっく‥」

「蜜‥君‥?」





な‥

な‥

泣いてる‥!?





「っ‥もう行かないでぇ‥‥‥いなくなっちゃやだぁ‥」

「ぇ‥」

「もうイジメたりしないからぁ‥」

「───────」

「‥分かったろ」

「‥?」

「──お前はもうここの人間なんだよ」

「‥ここ‥‥‥の?」





ここの人間──。





「お前は世話役なんだから。‥俺達の」

「──だからラン‥もう行っちゃダメだからね?」

「は‥‥はいっ!」





──何か、

無性に嬉しくなった。

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