《MUMEI》

「うーん…そろそろかな?」

「そうねぇ…あ、来た!」






向こうの方から、制服に着替えた空くんがボクらの席に向かってくる。よく見ると、なんかお盆もってるみたい?

「悪いな、待たせちまって…やっとおわったぜ。これ差し入れな!」

「空やるぅ♪気ィ聞くじゃん!」

そういって、コーヒーを3人分テーブルに置いた。ボク苦いのだめなんだけどな…

「あ、陸の分は砂糖たっぷりミルクたっぷり激甘コーヒーになってるぜ。見るだけで気持ちわりぃ…。」

…あ、ホントだ。美味しいな。どこが気持ち悪いんだろ。

「うへぇ…自分で入れといてなんだけどよく飲めんな…。」

「そう?美味しいよ?」

「なんつーか…さすがだわ。んで?どーなのよ?」

「あ、うんとね…」

そうしてボクは、お昼に見た夢の内容と、ボクの力を空くんに話して聞かせた。

「ほぉ〜…岡の大樹ねぇ。ここにそんな伝説があったとは…」

「驚きよね…なんにも知らないでご飯食べてたけど、ものすごい感謝してたらしいしね。なんかイイコトした気分♪」

「なんだそりゃ…まぁでもそうらしいな。よくわかんねぇけど…。んで、【切る力】か。なんだか危なっかしいな…」

「あうぅ…そんなこと言われても…」

「まぁ陸なら大丈夫だな!それより気にならねぇか?」

「ん?気になることって何?」

「いやさ、話だと力をオレらに与えたのはその2人じゃないんだろ?んじゃ誰なんだよ。なんで急にこんな力が与えられたかもわかんねぇし…なんだか話せたわりに意外とわかんないことだらけだな。」

「あれ、空くんは話してないの?」

「いや、オレはまた真っ暗だったな。海は?」

「あたしも!なんで陸だけなんだろーね?」

「さぁ…。あ、そういえば空くんの力ってなんだったの?見せて見せて!」

「そうねぇ…あたしの【飛ぶ力】と陸の【切る力】、んで空は何?」

「よぉし!そんじゃ見せてやろうじゃねぇか!とりあえず、ここじゃ使えねぇから外出ようぜ。歩きながら見せてやるよ。」

そういって、空くんは空のコーヒーカップを3つ片付けにいった。結局かなりここにいたな…もう8時過ぎだ。

そうしてボクらは、空くんの力を見せてもらうべ、くファミレスを出て仲良く帰路についた。

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