《MUMEI》
お願い
“お兄ちゃん──ハナが怖くないの‥?”





ハナは、

不安げに俺を見上げた。





“みんなハナの事怖がってるよ‥?”

「俺は怖くない」

“どうして‥?”

「怖がる理由、あるか?」





そう言ったら、

ハナが、

クスリと笑った。





“──お兄ちゃん変わってるね”

「そうだな、変わってる」

“──ねぇ、お兄ちゃん”

「?」

“お願いがあるの”

「お願い‥?」

“ハナの手毬‥探して欲しいの”





真剣な目をして、

ハナはそう言った。





“お願いお兄ちゃん‥ハナの手毬探すの手伝って”

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