《MUMEI》

「えっと‥、スイマセンでした‥」





謝らなきゃ、

と思って、

頭を下げた。





‥その途端、

グゥゥ〜、

とお腹が鳴った。





「‥何だ、腹減ってんのか」

「ぇ、ぃゃ‥」

「‥しょうがね‥、何か持って来てやっから待ってろ」





鳳君は、

キッチンに向かって行った。





「ねぇラン──」





鳳君がいなくなった隙を狙って、

蜜君が話しかけてきた。





「ずっと一緒にいてくれるよね‥?」

「ぇ、うん‥」

「──じゃあ、ホッペ貸して♪」

「ぇ」





──左のほっぺた。





また、

柔らかい感触。





「──よしっ、契約成立♪」





満足げに、

蜜君は笑った。

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