《MUMEI》
神鳥の羽‐4
週末



快晴が続き、今日も絶好のお出かけ日和となった

いつも通り支度を整えて、俺は玄関で靴紐を結んでいた


…ピンポーン――


響いた、呼び出し鈴に答えて玄関のドアノブに手をかける


ガチャ…


「おはようございます、鳴駆一生様」
「!?」

そこにはピシッとスーツを着こなした若い女性が立っていた

胸の勲章は…カオス・コーポレーションのものだ

「お迎えにあがりました」

「お迎え…って?」

「はい、本日のイベントにです」
突然の訪問に驚いたが、わざわざ迎えに来てくれたというのも断る訳にはいかず
俺は招かれるまま、待機している車へと向かった


「うわ…これって、リムジン…?」

生まれて初めて目にする生のリムジン
美しく整備、清掃された車体は黒く光沢を放ち、その高級感を存分に醸し出していた

女性はニッコリとドアを開けてくれた


「どうぞ、社長がお待ちしております」

「し、社長!?」

何で…?と理解する間もなく、心の準備もできないまま
俺は怖ず怖ずとリムジンに乗り込んだ

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