《MUMEI》
空の力…そして
なんだかこんな遅い時間に3人で帰るのも久しぶりだ。こんな遅い時間っていっても8時だけど…あんまりアウトドアではないボクにとっては十分遅い。

「…さて、とりあえずそこの公園でいっか。ちょっと寄ってこうぜ!」

公園か…どんな力なんだろ?てか…




「もう使えるの?」

「…は?そりゃ当たり前だろーが。陸も使えんだろ?」

「ボクは…海に教えてもらって…」

「あら…なんかゴメンな…。」

あうぅ…ボクってやっぱり情けない。ここは一発通販で…






「似合わなーい。」

はうっ!…読まれた挙げ句全否定…。海って絶対Sだよね?ね?

「あ、そういやなんだかんだ陸の切る力見てねーな。見せてみろよ!」

「え?あ、うん。えーっと…」

ボクは辺りを見回し、今度は分かりやすいように大きめの石を置いたまま指をなぞらせた。

「…はいっ!切ったよ!」

「…いやいや。切れてねーじゃん。」

「やっぱ空もそぉ見えるよねぇ〜?でもね…えいっ!」

海が、足元の石を拾い上げ、才能を感じさせるほどの見事なフォームで切った石に向かって投げた。

…パキィィッ!

「「うわぁ…。」」

…あ、石は見事命中、その衝撃で切ったとこから真っ二つに石は割れた。割れたけど…ボクらが驚いてるのはそんなことじゃない。

「こ、粉々…」

ブンブンと腕を振りながら嬉しそうに「見たー!?」なんて叫んでる海。…うん、見た。見たは見たけど…海が投げた石粉々に砕け散ったんだよな…。

「空くん…ボクの力って…」

「…何も言うな。オレも同じ気持ちだ…。」

…はぁ。我ながらものすごい人に惚れてしまったようだ。






「で?空は?どんな力なのー?」

…あ、一瞬忘れてた。そのために来たんだっけ。

「あんなもんのあとに見せたくねーな…。んじゃとりあえず…ほれ。」

…ん?空くんはボクにさっきのファミレスのレシートを渡してきた。何すんだろ?

「それをピンと張って持ってな。あ、あぶねーから気を付けろよ?」

そういうと、空くんは走って離れてってしまった。100mは離れただろうか…一体これから何をするんだ…?

「…行くぞー!」

ん?空くんの声だ。一体何が起こ…「ビシィッ!」…えっ?

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