《MUMEI》
“力”を持つ者
「リーダー…。岡根一高の高校生に3…いや4人発見。」

とある場所で…黒い面を被った男が、呟くような小さい声で言った。

「ふふっ…そっか。いつもありがとね。」

リーダーと呼ばれた男は、そういって微笑むと、ゆっくりと立ち上がり後ろを振り返った。

「目的遂行の為…そしてリーダーの為。」

「そうだね…。そのために授かった力だ。焦らずゆっくりと潰していこう。」




彼が振り返った先には…おびただしい数の人間が彼にひざまついていた。

―――――――――




「あー…ダメだ、重い。陸!ちょっと細かくしてくんないか?」

「ん?わかった。それっ!」

「…あたしいっつも思うんだけどさ、その『それっ!』って声いらないよね?」

「あうぅ…だってなんか言わないと気合い入んなくて…。」

ボクらが力をもらい、使えるようになってから1ヶ月がたった。あれから特に変わった様子もなく毎日を過ごしていたボクら。変わったことといえば…。

「よし、持てる。いくぜ!おりゃっ…あ。」

「ちょ、空くん強すぎ…ぐえっ」

「気合い入れすぎちまった…陸大丈夫か?」

力をうまく使えるようになったって言いたかったのに…空くんったら。

「だ、大丈夫…イテテ。」

「イヤホント申し訳ねぇ!お詫びに昼なんかおごるわ。」

「ホントに!?アイスにプリンにチョコレート、えっとそれから…」

「…やっぱやめた。」

「えーっ!?あうぅ…」

ちなみに今ボクと空くんは体育の授業中だ。みんながキャッチボールをしてる中、ボクらは石を石に当てるゲームをして遊んでいた。それで、当たったけど力が強すぎて突き抜けた石がボクに当たったってわけ。あうぅ…。

「おまえ物には限度ってもんがあんだろ?そこちゃんと考え…おっ、チャイムだ。」

「ホントだ。あっ…海!」

ちょうど授業終了のチャイムと同時に海が弁当を持って飛んできた。なんかもう友達にバレたからいいんだってさ。

「陸ぅー!どう?今日の海ちゃんは悩殺Tバック♪」

「あうっ…。」

「あーあ…この純情少年にそんなもん見せたら倒れるにきまってんだろーが。海もちょっとは抑えろよな?」

「いいもん!見られんのも慣れたし。てかなんで空は平気なのよー?」

「なにいってんだ、中2くらいまで3人一緒に風呂入ってたじゃねーか。」

「うぅ〜…。」

ちなみに女子は水泳。今夏だからね!

「んじゃメシ食いに行くぞ。」

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