《MUMEI》 汽車は、ひと回りしてまた、もう1週走り出した。 「なぁ卯月──」 「ぇ」 「思うんやけどな? オレとお前て──」 「はい‥」 「色々大変やけど──その分、何やろ‥ええ事もあるて感じせぇへんか?」 「───────」 「ぁ‥、あくまでオレが思た事やねんけどな」 「私もそう思いますよ」 卯月は、ニッコリ笑うた。 「私、今──幸せだって思いますもん」 「幸せ‥?」 「──はい、幸せです」 ほんまに、幸せそうやった。 卯月は、ほんまに幸せそうやった。 前へ |次へ |
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