《MUMEI》
危険区域
「駄目‥?」

“そっちは‥危ないから”

「‥‥‥‥‥‥‥」





確かに、

そんな気配はする‥。





“向こうにはね、悪いお化けさん達がいて──”

「ハナも向こうには行った事ないのか?」

“‥‥‥‥‥‥‥”





ハナは、

黙って頷いた。





“お兄ちゃん、行っちゃだめ”

「けど──手毬、向こうにあるのかも知れないし‥」

“だめ”

「ハナ‥?」

“向こうに行った人達、帰って来た事ないから‥”





ハナ曰く、

この先は、

危ないらしい。





「───────」






けど、

この森で‥

他に手毬がありそうなのは向こうしかない。





“行くの‥?”

「絶対戻って来るから」

“‥‥‥‥‥‥‥”

「手毬、見つけないと成仏出来ないんだろ?」

“でもお兄ちゃん‥”

「約束したろ?」

“じゃあ、ハナも行く”

「ぇ」

“ハナも一緒に行く”





ハナは、

俺の袖を掴んできた。





“ハナが守るから”

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫