《MUMEI》

「うぅ〜…。いいもん!絶対明日は興奮させてやるんだからぁ!」

「やってみろ〜。で、なにすんだ?」

「パンツはかないっ!」

…!!プシャァァァ…

「アホがいるよここに…って、おーキレイだなぁ!…陸の鼻血シャワー。」

「いやぁぁぁっ!?陸ぅぅぅぅぅ!!」
「じゃ、そこのヒステリックノーパン責任持って保健室つれてけよ?オレは先行って待ってっか…もういねぇのかよ。」




なんだか一人孤独を感じながら、トボトボと岡の大樹の元へ向かう空であった…。

―――――――――




う、うぅん…あれ、ここは…?




『ようやく目を覚ましたか…この寝坊助が。夢の中でも寝るとは何事だ?』

…え、えぇっ!?棗さん!?なんで!?

『覚えてないのか?好きな女子の一糸纏わぬ姿を想像し「ぎゃぁぁあ!!」…意識を失ったり騒いだり、忙しいやつだ。』

棗さんがそういってこっちを見てくる。な、なんでそんなにニヤニヤしてるのさ!?

「な、なんですか!?」

『いや…陸もまだまだ若いなと思ってな?』

…あぁ、もう!?そうじゃなくってぇ…

「なんでここにいんですか!?ってここ真っ暗…?」

よく見てみたら、ボクが最初に来たとこだ。んじゃあれは…

『あれは残された力を使って作り出した紛い物の風景。本来ならばここにいることすら私には叶わぬことだ…。』

じゃあなんでここに…?

『…しかし、陸の夢は特別らしくてな。むしろここに閉じ込められて困ってる。陸に力を教えたときから出られなくてな。』

「えっ…そんな。ご、ごめんなさい!」

ボクは思いっきり土下座した。だってこれはボクが悪いよね!?棗さんごめんなさい…あうぅ。

『気にするな、男はそうすぐに目に涙を溜めるものではない。私は…ここにいれて嬉しいから。』

また一緒な気がしてな…と呟いた棗さんは、わずかに微笑んでボクの方を見た。

『…しかし、どうやらいられるのもそう長くはないみたいだ。おそらくこのあと大樹の元にいけば私は元の場所に戻れるな。』

「へ?会えたばっかなのに…。」

『また来るさ。きっとな…。それに、今私と雪は岡の大樹そのもの。このままいなくなっては大樹が枯れてしまう…。体も薄くなっている。多分ここが潮時だ。』

…。いろいろ聞こうと思ってたのに。せっかく会えた分すごく悲しいな…。

『ここから消える前に一つだけ…助言してやる。』

…助言?

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