《MUMEI》

『“言葉”の力は3つではない。数え切れないほどの言葉があるように、その力も未知数。どこに他の力を得たものがいるかもわからん。』

他に…力を得たものがいる?

『鍛えろ。使いこなせ。敵は…そう遠くない。』

…!!敵だって!?

『この力にはまだまだ秘密がある…同じ力を持つ者を倒すことでわかることもあるんだ。必ず…お前たちは狙われるだろう。』

狙われる…ボクらが…?こ、怖い…

『逃げられない…だから最初にそう言った。本当に…申し訳なく思っている。だからこそ…。』

…ハッ!?ボクの体も透けて…

『生…てくれ…お……まの…れか…よ…』

何て言ったの!?…そうボクが叫ぶ前に、視界は再び黒一色となり…そこでボクの意識は途絶えた。

―――――――――









…て…




…きて…




…起きて…




「起きて、陸!」




…ハッ!?ボクは…?




「起きたぁっ♪」




…?海が飛び上がって喜ん…ぶふぅっ!?




「いやぁぁっ!?陸しっかりぃっ!!」
…ぎゃあっ!?あ…頭ガクガク…?

「起きた…?」

「…うん。」

「…なんだ♪最初からこうやって起こせば良かったのね!」

…え?


「よーし、そんじゃ大樹んとこ行きますかぁ♪」

…ボク頑張るよ。じゃないとボク彼女に殺される上に原因パンツだもん。…海?なんで赤くなって…

「大丈夫♪…フフッ、今夜は寝かさないぞ?なんてね♪早く行こーよ!」

…エーイドーリアーーーーン!!!!父さん母さんボクはどうやら明日から大人になれそうです!…いや。

「あの…血だらけになったらゴメン。」

…僕がね。いや見るのも見られるのも恥ずかしいし…ボクまだ高校生…

「いやん♪初めてだから優しくして…?」

…そこは心読めぇぇっ!!…父さん母さん、ボクは…明日を迎えられないかもしれません。輸血の準備お願いします…。

「…エヘヘ、やっぱ帰りまで我慢できないかも…」

海さぁぁぁん!?目がハンターだよ!?野生化してるよ!?襲われるぅぅぅ!!

「ホ…ホラ、早く空くんとこ行こ!さっきみた夢のことも話したいし…」

「へ?また見たの?」

…お。なんとかおさまったみたいだ…助かったぁ。

「うん!それでね、早く大樹んとこに行かないといけないの。棗さんを返してあげなきゃ。」

「棗さんって確か…。まぁそーゆーことなら仕方ないか。」

…疲れた…。

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