《MUMEI》

「──先生、あの‥」





汽車を降りた時やった。





卯月が、おずおずしながら切り出した。





「何か──飲み物買ってもいいですか」

「おう、構へんで。オレも喉渇いてもうたし──」





確か‥ここらにパーラーみたいなとこあったような気ぃすんねんけど──。





「あれやろか?」





たぶんそやな。





「──ほな──卯月は何がええ?」

「えっと‥、先生と同じのがいいです‥」

「同じ?」





卯月──カフェオレとか大丈夫なんやろか。

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